TriliumNext/Trilium:深いノートツリーを育てる自己管理型ナレッジベース
Trilium Notes を使用して個人の知識ベースを構築する
ひと目でわかる
- これは何?
- 階層、クローン、属性、検索、暗号化、同期を一つのノートモデルにまとめ、旧Triliumからの移行経路もREADMEで説明するアプリです。
- 誰に向いている?
- TriliumNext/Triliumは、単発のメモではなく、深い階層と属性を持つ個人知識ベースを長く運用したい人に適した設計です。旧zadam/Triliumからは通常インストールで既存データベースを使える一方、v0.90.4を超えるTriliumNext版では同期バージョンが変わり直接移行できない境界があります。
- 商用利用できる?
- 厳しい条件付きでできます。AGPL-3.0 はネットワーク型コピーレフトのライセンスで、改変版をホスティングサービスなどとしてネットワーク越しに利用させる場合、その利用者にソースコードを同じライセンスで提供する必要があります。
- 今もメンテナンスされている?
- されています。直近 1 日以内に新しいコミットがあります。
- 何の言語で書かれている?
- 主に TypeScript です(GitHub の言語統計による)。
回答はプロジェクトの GitHub データ(最終同期:2026年9月15日)と当サイトの分析に基づくもので、法的助言ではありません。
オープンソース詳細解説
Trilium Notesをコミュニティの継続版として受け継ぐ
TriliumNext/Triliumは、個人の知識ベースを構築するための無料かつオープンソースのクロスプラットフォームノートアプリです。元の開発者ZadamがTriliumのリポジトリをコミュニティプロジェクトへ譲り、TriliumNextが継続開発を担うという経緯がREADMEに書かれています。別物の新規ノートアプリとして見るより、既存のTrilium利用者がどの版へ移るかを考えるプロジェクトです。
移行の説明は具体的です。zadam/TriliumからTriliumNext/Triliumへ移る際、特別な変換手順はなく、通常どおりインストールすれば既存データベースを使います。ただしv0.90.4までのTriliumNext版はzadam/triliumのv0.63.7と互換性がある一方、それ以降は同期バージョンが増え、直接移行できません。利用中の版を確認せずにアップグレードする話ではない点が重要です。
クローンと属性がノートの住所を増やす
中核となるデータモデルは、任意の深さに伸ばせるノートツリーです。同じノートをクローンとして複数の場所へ置けるため、内容を複製せずに、プロジェクト別、テーマ別、時系列別の入口を作れます。ノートには属性を付けられ、整理、クエリ、スクリプトの条件に使えます。ノートの版管理と、特定の部分木だけへ焦点を移すノートホイスティングも、READMEの機能一覧に含まれます。
この構造は、ノートをタグの集合だけで管理する場合とは操作感が違います。階層の設計が育つほど、どこを正規の置き場所とするか、クローンをどの単位で作るかが運用ルールになります。全文検索とノート間の移動が補助しますが、READMEには大規模ツリーをどう設計するかの実例は限定的です。100,000件を超えるノートでも使いやすさと性能を保てるという説明は、独立ベンチマークではなくプロジェクト側の主張として扱いたいところです。
文章、コード、地図を同じ知識空間に置く
テキストノートにはWYSIWYGエディターがあり、表、画像、数式、Markdownの自動フォーマットを扱えます。ソースコード用ノートタイプには構文ハイライトがあります。さらにExcalidrawを使うキャンバス、ノート同士の関係を描くRelation MapとNote/Link Map、Mind Elixirを基にしたマインドマップ、位置ピンとGPXトラックを扱うジオマップが用意されています。
保存と取り出しの経路も複数あります。EvernoteとMarkdownのインポートおよびエクスポート、Web Clipper、REST API、スクリプトがREADMEに列挙されています。これらは単なる編集機能ではなく、外部資料を取り込み、属性や検索で再利用するための入口です。各ノートタイプの互換性、添付ファイルの扱い、APIの認証方式はREADMEの機能一覧だけでは決まりません。自動化する場合は公式ドキュメントの該当版を確認したいです。
同期、共有、ログインを分けて設計する
同期は自己ホスト型の同期サーバーを使う構成で、第三者が同期サーバーをホストするサービスへの言及もあります。ノートは公開インターネットへ共有または公開でき、ノート単位の強力な暗号化も機能として挙げられています。ログインにはOpenIDとTOTPの直接統合があります。つまり、端末間同期、他人への公開、アカウント認証、ノートの保護が別の機能として並んでいます。
READMEは暗号化アルゴリズム、鍵管理、監査結果、公開時の細かなアクセス制御までは説明していません。OpenIDやTOTPがあることだけで、利用環境全体の安全性が確定するわけではありません。自己ホストするなら同期サーバーの公開範囲、バックアップの暗号化、失敗した同期の復旧、公開ノートに含めてはいけない属性を先に決める必要があります。
デスクトップ、サーバー、モバイルの入口
WindowsとmacOSではバイナリをダウンロードして展開し、trilium実行ファイルを起動する手順がREADMEにあります。Linuxでは一部ディストリビューションのパッケージとFlatpakが案内されていますが、Flathubにはまだ公開されていないと説明されています。Docker Hubのイメージを使うサーバー構成もあり、サーバー版はデスクトップ版に近いWebインターフェースを提供します。
スマートフォンとタブレット向けにはタッチ操作に最適化されたモバイルフロントエンドがあります。READMEは第三者製のTriliumDroid、Pocket Trilium、Trinoteも挙げ、それぞれ同期に関する注意があるとしています。安定版は多くの利用者に推奨され、日次更新のNightlyは不安定な開発版です。旧データを持つ利用者は、安定版、Docker版、モバイルクライアントを混ぜる前にデータベースの複製で移行を試すべきです。
100,000ノートの主張を運用計画へ翻訳する
READMEは、使いやすさと性能の両方で100,000件を超えるノートへスケールすると述べています。画面はサイドバーのボタンやユーザー定義ウィジェットを変更でき、ダークテーマとユーザーテーマ、メトリクスとGrafanaダッシュボードもあります。大量の知識を長期保存する用途を意識した機能構成ですが、実際の検索速度や同期時間は、添付ファイル、属性、サーバー構成によって変わります。
コードの開発フロー、ドキュメント編集、Windowsデスクトップのビルド、翻訳を含む貢献経路も公開されています。ライセンスはAGPL-3.0で、変更版をネットワーク経由で提供する場合のソース提供条件を含むコピーレフトです。保証やサポートの約束はライセンスから得られません。継続的に使うなら、版の固定、データベースのバックアップ、旧版からの復元、同期クライアントの互換性を自分の手順として残したいです。
編集部の結論
TriliumNext/Triliumは、単発のメモではなく、深い階層と属性を持つ個人知識ベースを長く運用したい人に適した設計です。旧zadam/Triliumからは通常インストールで既存データベースを使える一方、v0.90.4を超えるTriliumNext版では同期バージョンが変わり直接移行できない境界があります。性能や暗号化の強度はREADMEの主張だけで確定せず、バックアップと移行テストを先に行いたいです。
コミュニティノート