MicroClawはServerとWorkで同じRustエージェント核を共有する
このプロジェクトは「An agentic AI assistant that lives in your chats, inspired by nanoclaw and incorporating some of its design ideas. Built with Rust.」を基盤として、実践的に使えるオープンソース実装を提供し、再利用可能なツールチェーンと統合手段を備えています。
ひと目でわかる
- これは何?
- セルフホストのRustランタイム。常駐チャネル向けServerと、Apple Silicon向けネイティブWorkを分けつつ、導入コマンドと障害時の確認口を整理する。
- 誰に向いている?
- MicroClawは、常駐チャットと自動化にはServer、手元のワークスペース作業にはWork、という二面を同じAgent Engineで回したいセルフホスト運用者向けです。mainを本番に置く前提、Windows上のWorkを公式サポート扱いする前提には向きません。
- 商用利用できる?
- できます。MIT は寛容なライセンスで、著作権表示とライセンス表示を残せば、使用・改変・販売が可能です。
- 今もメンテナンスされている?
- されています。最後のコミットは 11 日前です。
- 何の言語で書かれている?
- 主に Rust です(GitHub の言語統計による)。
回答はプロジェクトの GitHub データ(最終同期:2026年9月14日)と当サイトの分析に基づくもので、法的助言ではありません。
オープンソース詳細解説
Server常駐とWorkデスクトップが共有するAgent Engine
microclaw/microclawはRust製のセルフホストエージェント基盤です。説明文はnanoclawに着想し、その設計の一部を取り入れたチャット内エージェントだと書いています。READMEの中心は「One shared Rust agent core. Two product surfaces.」です。MicroClaw Serverはチャットチャネル、Web、API、スケジュール、自動化向けに常駐します。MicroClaw WorkはGPUIのネイティブデスクトップで、ローカルのワークスペース中心の作業向けです。両方ともチャネル非依存のAgent Engine、プロバイダ抽象、ツール、ポリシー、メモリ、スキル、ランタイムイベントを共有します。
単発リクエストより長い作業向けで、複数ステップのツール実行、再開可能なセッション、耐久配信、永続メモリ、スケジュール、管理された拡張が同じランタイムに載ります。Serverの対象OSはmacOS、Linux、Windows。Workは公式サポートがApple SiliconのmacOS 13以上で、LinuxとWindowsはportable previewです。ローカルのタスクループと安全境界はsite/docs/work.md、現行の配信計画はdocs/roadmap/work-server-local-first-plan-2026-08.mdです。ホームページはhttps://microclaw.orgです。
本番はstable、mainは破壊的変更があり得る
README冒頭のIMPORTANTは、本番利用ならstableブランチを選べ、mainは速く動き破壊的変更を含み得ると明言しています。素材の既定ブランチはmain、最新リリースはv0.5.4(2026-08-27)で、同日にv0.5.3とv0.5.2も並んでいます。短い間隔のタグは、main追跡とリリース固定を混同すると再現不能になります。v0.5.4はWorkspace対応のネイティブ添付、プロジェクトとGitコンテキスト、明示的なローカルアクセス境界、タスク通知、Workバンドルの軽量化を挙げ、クロスプラットフォームのServerランタイムは維持すると書いています。
Workの導入はApple Silicon macOS 13+向けに brew tap microclaw/tap と brew install --cask microclaw-work です。Linux x86_64/arm64とWindows x86_64のportable previewはv0.5.4のリリースページから取得します。macOSがWorkデスクトップの公式サポート対象で、previewはプラットフォーム受け入れが終わるまで、という但し書きがあります。ServerをmacOSまたはLinuxへ入れる場合は curl -fsSL https://microclaw.org/install.sh | bash、Windows PowerShellは iwr https://microclaw.org/install.ps1 -UseBasicParsing | iex です。
microclaw doctorから10961番までを同じ記録に残す
インストール後の手順は microclaw doctor、microclaw setup、microclaw start の順です。そのあと http://127.0.0.1:10961 を開きます。doctorは環境診断、setupは初期設定、startは常駐開始、という役割分担がコマンド名から読めます。Homebrew、Docker、ソースビルド、Linux互換、アップグレード、サービス化はdocs/getting-started.mdへ送られています。パイプでinstall.shを流す経路は、スクリプト内容とHTTPS証明書、実行ユーザの権限を自分で確認する前提です。READMEはスクリプトの中身を展開していません。
検証では、まずdoctorの終了コードと出力を保存し、setupが指す設定ファイルの場所を確認し、start後に10961が待受けるかを見ます。Workを使うなら、公式サポートのApple SiliconかpreviewのLinux/Windowsかを先に分け、添付ファイルのフォルダガードがREADMEの言う共有ランタイムの範囲に収まるかをwork.mdと突き合わせます。v0.5.4の「明示的なローカルアクセス境界」は売り文句ではなく、実機で拒否されるパスを1つ以上試す対象です。
doctor deliveryとチェックポイントで障害を切り分ける
READMEは障害シナリオと確認口を表にしています。返信がチャネル制限を超えたときは、応答を耐久的に受け、順序付きチャンクに分割し、境界バイトを失わず再試行する、確認は microclaw doctor delivery。モデルとツールの間でプロセスが止まったときは、プロバイダ非依存のチェックポイントが完了済みツール結果を再生せず再開する、確認は /status または Web Governance。書き込み可能なツールが中断されたときは、不確実な副作用で止まり盲目再生せず確認を求める、確認はRecovery audit events。チャネル不通時はタスク完了とメッセージ配信を分離し、結果を再試行キューに残せる、確認はタスク履歴と配信診断です。
これらはREADMEが「guarantee」と呼ぶ自己申告です。実測報告ではありません。再現は docs/operations/durable-coworker.md と docs/reports/reliability-differentiation-2026-07.md、リリース資産の reliability scorecard(docs/reports/reliability/README.md)を scripts/ci/reliability_scorecard.sh でローカル再実行する、と書いてあります。採用前に少なくとも doctor delivery を一度走らせ、scorecardスクリプトが自分のチェックアウトで通るかを見るのが、表を信じるより早い切り分けです。
メッセージは再開、推論、ガード付きツール、耐久配信の順
流れは固定です。セッション状態を再開しメモリとスキルとランタイム文脈を載せる。プロバイダ中立のメッセージとツール定義でモデルを呼ぶ。共有のガードレール、フック、認可を通してツールを実行する。完了まで続け、ターンを永続化し結果を耐久配信する。Serverのチャネルアダプタは入口と配信イベントだけを変換します。Workは同じランタイムイベントを microclaw-work-runtime と microclaw-work-app 経由でGPUI状態へ投影します。どちらの面も独自のエージェントループやプロバイダ実装を持たないと明記されています。
Why MicroClawが挙げるのは、単一コア、ローカルファーストのWorkspace(プロジェクトとGitブランチ、ドラッグ&ドロップ、フォルダガード内の添付)、再起動をまたぐ実行、AnthropicネイティブまたはOpenAI互換・ローカルプロバイダ、スキル/MCP/プラグイン/フック/ツール/チャネルアダプタでの拡張、Rustサービスと組み込みSQLiteでベクトルDBやサービスメッシュを要求しないこと、ツールのリスクゲート、スコープ付き権限、egress制御、サンドボックス、秘匿情報のredaction、監査証跡です。チャネル名の一覧は素材READMEが途中で切れているため、未記載のアダプタをあることにしません。
MITでもテレメトリとpreview OSは別問題として残る
ライセンスはMITです。再配布や改変はLICENSEの条件に従えば広いですが、READMEの信頼性表やscorecardは保証条項ではありません。言語はRust、starsは素材時点で730、open issuesは1件、既定ブランチはmainです。issueが少ないことは成熟の証明ではなく、報告経路や利用者数の問題かもしれません。DiscordとRedditへのバッジがありますが、契約サポートではありません。
向かないのは、WorkをWindows本番の唯一UIにする人、install.shを読まずrootで流す人、mainのHEADを無審査で常駐させる人です。向くのは、stableまたはv0.5.4を固定し、Serverなら10961の待受とdoctor delivery、WorkならApple Silicon上でフォルダガードを確認できる運用者です。拡張(MCPやプラグイン)を入れるなら、コアを置き換えないと書いてある以上、失敗時にコア版と拡張版を分けてログを取る必要があります。
編集部の結論
MicroClawは、常駐チャットと自動化にはServer、手元のワークスペース作業にはWork、という二面を同じAgent Engineで回したいセルフホスト運用者向けです。mainを本番に置く前提、Windows上のWorkを公式サポート扱いする前提には向きません。まずstableブランチ方針を読み、macOS/Linuxならcurlのinstall.shのあとmicroclaw doctor、setup、startで127.0.0.1:10961が開くかを確認し、配信切れはmicroclaw doctor deliveryで切り分けてください。
コミュニティノート