gollama: Ollama モデル管理を TUI に集約する Go 製ツールの実力と境界線
Go manage your Ollama models
ひと目でわかる
- これは何?
- gollama は Ollama のモデル一覧、削除、Modelfile 編集、vRAM 見積もりをターミナル上で完結させる MIT ライセンスの Go 製 TUI だ。ただし作者自身が Ollama の利用頻度低下を明言しており、採用判断は「今の自分の Ollama 運用」に依存する。
- 誰に向いている?
- gollama は、Ollama を日常的に使っていてモデルの削除や Modelfile 編集をターミナルで素早く行いたい macOS / Linux ユーザーに向く。逆に、モデルサービングの主軸を llama.cpp や LM Studio に移している人、あるいは GUI でモデル管理を完結させたい人には不要だ。
- 商用利用できる?
- できます。MIT は寛容なライセンスで、著作権表示とライセンス表示を残せば、使用・改変・販売が可能です。
- 今もメンテナンスされている?
- されています。最後のコミットは 57 日前です。
- 何の言語で書かれている?
- 主に Go です(GitHub の言語統計による)。
回答はプロジェクトの GitHub データ(最終同期:2026年9月15日)と当サイトの分析に基づくもので、法的助言ではありません。
オープンソース詳細解説
gollama が埋める隙間: Ollama CLI の「モデル管理」部分
Ollama の公式 CLI はモデルの実行と取得に重点があり、溜まったモデルの棚卸しや不要モデルの削除はコマンドを覚えて一つずつ叩く作業になりやすい。gollama はこの部分を TUI にまとめる。README が挙げる機能は、モデル一覧、サイズや量子化レベル、モデルファミリ、更新日時の表示、Modelfile の編集、名前・サイズ・更新日時・量子化・ファミリ・パラメータサイズによるソート、削除、実行とアンロード、詳細表示、vRAM 使用量の概算、コピーとリネーム、レジストリへのプッシュ、実行中モデルの表示だ。対象は macOS と Linux で、Windows 向けの記述は README にはない。想定読者は、ローカルにモデルを何本も置いていて、ディスクを圧迫しているモデルを定期的に整理したい開発者や研究者である。作者は README の中で「特に古いモデルのクリーンアップに便利」と書いており、機能の重心がモデルの削除と整理にあることが分かる。
操作の流れ: ホットキー中心の TUI と CLI サブコマンドの二本立て
gollama は引数なしで起動すると TUI に入る。キーバインドは README に列挙されており、`Space` で選択、`Enter` でモデル実行、`i` で検査、`t` で実行中モデル一覧、`D` で削除、`e` で編集、`c` でコピー、`U` で全モデルのアンロード、`p` で既存モデルのプル、`ctrl+k` でユーザー設定を保持したプル、`ctrl+p` で新規モデルの取得、`P` でプッシュ。ソートは `n` が名前、`s` がサイズ、`m` が更新日時、`k` が量子化、`f` がファミリ、`B` がパラメータサイズに対応する。リネームは `r` に割り当てられているが、README はこれを「Work in progress」と明記している。TUI を開かずに使う経路も用意されている。`gollama -l` はモデル一覧を出して終了し、`gollama -s my-model` は名前で検索する。検索は `'term1|term2'` の OR と `'term1&term2'` の AND をサポートすると README が説明している。`gollama -e my-model` はそのモデルの Modelfile を編集する。データの流れは単純で、gollama は Ollama の API に対して読み書きし、モデルの実体を自前で保持しない。だから Ollama デーモンが動いていない環境では機能しない。
導入: go install が推奨、curl は更新が面倒
README が推奨するのは Go のツールチェーン経由の導入だ。`go install github.com/sammcj/gollama/v2@latest` を実行する。curl 経由の `curl -sL https://raw.githubusercontent.com/sammcj/gollama/refs/heads/main/scripts/install.sh | bash` も用意されているが、README 自身が「更新が容易でないため推奨しない」と書いている。手動の場合はリリースページからバイナリを展開して PATH の通ったディレクトリに置く。`command not found: gollama` が出る場合は `export PATH=$PATH:$HOME/go/bin` を `.zshrc` か `.bashrc` に追加する。設定はコマンドラインオプションで渡す。`-h` または `--host` で Ollama API のホストを指定し、`-H` は `-h http://localhost:11434` の短縮形だ。`--ollama-dir` はモデルディレクトリを上書きし、`--log` または `--log-level` で debug, info, warn, error のいずれかにログレベルを変更できる。`--no-cleanup` を付けると壊れたシンボリックリンクの掃除を止める。つまり既定ではシンボリックリンクのクリーンアップが走る。モデルディレクトリの構造に手を入れる運用をしているなら、この挙動は最初に把握しておくべきだ。
vRAM 見積もり: モデル選定の前にメモリ収支を確認する機能
gollama の特徴的な機能が vRAM の概算だ。`--vram` にモデルを渡すと使用量を見積もる。対象は Ollama のモデル(例として README は `llama3.1:8b-instruct-q6_K` や `qwen2:14b-q4_0` を挙げる)だけでなく、HuggingFace のモデル(例: `NousResearch/Hermes-2-Theta-Llama-3-8B`)も指定できる。`--fits` に利用可能なメモリ量を GB 単位で渡すとコンテキスト長の計算に使われ、`--vram-to-nth` または `--context` で分析する最大コンテキスト長(`32k` や `128k` のような指定)を決め、`--quant` で量子化レベルを上書きできる。ここで注意したいのは、これが概算だという点だ。README は vRAM estimation という表現を使っており、実測値ではない。実際の使用量は KV キャッシュ、バッチサイズ、ランタイムの実装、GPU と CPU のオフロード配分で変わる。gollama の数字は「このモデルをこの量子化で載せたときに大まかに収まるか」を判断するための一次フィルタとして使い、最終的な可否は実際にロードして確認するのが妥当だ。
LM Studio 連携の削除とメンテナンス減速という現実
採用判断で最も重いのはここだ。README には 2025-12-02 付の更新があり、v2.0.1 以降 LM Studio との連携機能が削除されたと明記されている。理由も書かれている。上流アプリケーションの変更と各ユーザーのローカル設定への対応が維持コストに見合わなくなった、というものだ。同じ更新で作者は、自分が Ollama をあまり使わなくなったため開発が減速していると述べ、モデルサービングの主軸を llama.cpp と llama-swap に、ラップトップでのサービスには LM Studio と oMLX に移したと書いている。これは機能追加の停滞を意味する。リリース履歴を見ると v2.0.5 が 2026-06-14、v2.0.4 と v2.0.3 が 2025-12-30 で、それ以前の間隔は資料からは分からないが、少なくとも活発な機能追加が続いているとは読み取りにくい。README 自身が「active development なのでバグと未実装機能がある」と認め、機能リストの最後に「Has some cool bugs」と書いている。実運用に組み込むなら、不具合が出たときに自分で直すか、回避策を取る前提で臨むべきツールだ。
llama.cpp と何が違うのか: 管理層か推論層か
作者が移行先として挙げる llama.cpp は、gollama の代替というより別の層にある。llama.cpp は推論エンジンであり、GGUF モデルを直接ロードして動かす。llama-swap はその上でモデルの切り替えを扱う。gollama は推論をせず、Ollama が管理するモデルの一覧、削除、編集、コピー、プッシュを担う。したがって「gollama をやめて llama.cpp にする」という比較は成立しない。正しい比較は、モデルの管理を Ollama に任せて gollama で操作するか、llama.cpp 側の設定ファイルとディレクトリを直接管理するか、という運用の選択だ。llama.cpp 側は設定ファイルベースで、モデルの実体とパラメータを自分で記述する。gollama はそれを TUI のホットキーに置き換える。管理対象が多いほど TUI の価値は上がるが、モデルが数本しかないなら Ollama の CLI とディレクトリ操作で足りる。README が「毎日のモデル管理に役立っている」と書くのは、まさにこの規模感の話だ。
ライセンスと更新コスト
ライセンスは MIT で、商用利用を含めて比較的制約が少ない。ただしこれは法的助言ではない。同梱物や依存関係のライセンスは別途確認が必要で、gollama 本体が MIT だからといって依存する Ollama や HuggingFace 側の条件が変わるわけではない。更新コストの面では、`go install` で入れた場合は `@latest` を付け直すだけで更新できる。curl スクリプトは README 自身が更新しにくいと書いているので、継続利用するなら go install に寄せる方が管理しやすい。設定はコマンドラインオプションで渡す形式なので、バージョンアップでオプション名が変わった場合はシェルのエイリアスやラッパースクリプトを修正する必要がある。README は `alias g=gollama` のような短縮を提案しているが、こうしたエイリアスを多用しているほど、オプション変更時の影響範囲が広がる点は意識しておきたい。
編集部の結論
gollama は、Ollama を日常的に使っていてモデルの削除や Modelfile 編集をターミナルで素早く行いたい macOS / Linux ユーザーに向く。逆に、モデルサービングの主軸を llama.cpp や LM Studio に移している人、あるいは GUI でモデル管理を完結させたい人には不要だ。導入前に確認すべきは、自分の Ollama バージョンで `gollama -l` と `--vram` が期待通り動くか、そして `--ollama-dir` が指すディレクトリが実際のモデル保存先と一致しているかである。README が示す通りこのプロジェクトはメンテナンスが減速しており、新機能を期待して採用するツールではなく、現状の機能で足りるかを先に確かめるべきツールだ。
コミュニティノート